AdWords 初心者によくある 17 の間違い
AdWords の代行業務などでアカウントの運用を引き継ぐ場合、みんな同じような間違いをしていることに気が付きます。
それに加えて、フォーラムの質問をみていると AdWords で上手くいってない理由が、パターン化されているのが、何となく分かってきたので、リストアップしてみました。
- いきなりビッグキーワードを買う
- いきなり大量のキーワードを買う
- いきなり高額な単価を設定する
- 完全一致と部分一致を理解していない状態で AdWords をはじめる
- コンバージョンの設定をしない
- コンテンツネットワークの存在を知らない状態で AdWords をはじめる
- 検索ネットワークとコンテンツネットワークを同一のキャンペーンで管理する
- グループ分けをしない(全てのキーワードを同一グループで管理する)
- 全てのグループで同じ広告文を使用する(検索ネットワーク)
- 広告のタイトル部分にキーワード(若しくは関連するキーワード)が挿入されていない
- 広告文を一つしか用意しない(広告文のテストをしない)
- 入札制度を全く理解していない状態で AdWords をはじめる
- 品質スコアを全く理解していない状態で AdWords をはじめる
- 一日の予算が低すぎるために、広告の表示機会を損している
- モバイル広告を出したくて、キャンペーンのディバイス設定からフルブラウザ搭載の携帯向け広告を選択する
- AdWords をはじめると SEO の順位が下がると思っている
- 分析・テスト・改善をしない
以下、解説です。
1. いきなりビッグキーワードを買う
明らかにサイズがデカ過ぎるキーワードを設定し、ほとんどクリックされない(クリック率が非常に悪い)、もしくはターゲティングされていない無駄クリックが発生しているという状況です。
今まで AdWords や Yahoo リスティングというものを利用したことが無い人に、どのキーワードがビッグで、どのキーワードがそうでないのかを判断しろということ自体が、酷なことなのかもしれません。
なぜならば、それはビジネスをしているマーケットによって違うでしょうし、更にはビジネスのサイズからみてビッグすぎるキーワードであるか、そうでないかを判断しなければいけないからです。
そう考えると、経験を積む為の授業料と考えるべきなのかもしれませんが…笑
2. いきなり大量のキーワードを買う
複合キーワードが良いと誰かに聞き、はじめて AdWords にチャレンジするにも関わらず、いきなり何千何万のキーワードを設定する。
可能な限りのキーワードをピックアップし、ありとあらゆる組み合わせパターンを考え、時間をかけて設定してみたけど、表示されたキーワードは、ほんの数パーセント程度…
しかも、数が多すぎるので、管理しきれないという始末。時間の無駄です。
初心者だからということ関係なく、はじめは 関連性の強いキーワードから徐々にはじめれば良いと思います。
そして、実際に反応が取れるキーワードに関して、深堀り(そのキーワードの関連キーワード/複合キーワードを探す)していった方が、管理もしやすい。
3. いきなり高額な単価を設定する
以前、クリック単価の相場を全く知らなかったのか、それともクリック単価というコンセプトを理解されていなかった方なのか分かりませんが、最大入札価格を 1000 円で設定していたアカウントを引き受けたことがあります。
それほど競争の激しいキーワードではなかったのですが、それでも 1 クリック 800 円ぐらいの平均単価になっていて、『設定ひとつで、本当にこんなに単価が跳ね上がることが可能なんだ~』と驚いたことを覚えています。
4. 完全一致と部分一致を理解していない状態で AdWords をはじめる
時と場合によるので、完全一致と部分一致はどっちが良いとは言えませんし、これを知らなくても、ことは進みます。
はじめてのことなので、表示やクリックのデータが溜まりだしてからも、特別何かがおかしいなどと思うことはほとんどありません。
ただ、コントロールをしていない事により、損をしている可能性があります。
5. コンバージョンの設定をしない
意外に思うかもしれませんが、コンバージョントラッキングのタグを設定していないアカウントを、いまだにみかけます。
資金が大量にあって、コンバージョンの設定が必要のないサイト(サイトみてもらって、ブランド力をアップさせる戦略)のような大手企業の戦略もあるのですが、コンバージョンを計測しながら改善できることが、AdWords の醍醐味だと思います。
6. コンテンツネットワークの存在を知らない状態で AdWords をはじめる
フォーラムで良くある質問がこれです。
アカウントでカウントされているクリックの合計と、個々にあるキーワードのクリックの合計が異なるのですが、どうしてですか?
コンテンツネットワークの表示はキーワードごとに数字が集計されずに、グループ単位で合計が表示されます。
キーワード検索で広告を出しているつもりで、実は検索とコンテンツの両方に広告が出てしまっていることに気が付いていない人も少なくありません。
7. 検索ネットワークとコンテンツネットワークを同一のキャンペーンで管理する
キャンペーンを作成するときに、コンテンツネットワークの存在をみつけて『何となく広告表示が増えそうだから』という理由だけで、検索とコンテンツの両方にチェックを入れてしまうパターンです。
はず理解しなければいけないのが、検索ネットワークとコンテンツネットワークでは、
- ユーザーの属性が違います
- 選ぶキーワードが違います
- グループの分け方が違います
- 伝えるべきメッセージ(広告文)が違います
- 品質スコアの採点方法が違います
- 時には、選ぶべきランディングページ(オファー)が違います
これだけの違いがあるのに、同じキャンペーンで同じ戦略を取っていては上手くいきません。
コンテンツネットワークの設定が分からないのであれば、はじめのうちは、[キャンペーンの設定] ⇒ [ネットワークとデバイス] から、コンテンツのチェックを外してオフにしておくことをオススメします。
8. グループ分けをしない(全てのキーワードを同一グループで管理する)
何のためにキャンペーンがあり、何のためにグループがあるのか、理解していないケースです。
AdWords アカウントの構造を把握した上で、グループ単位でターゲットユーザーに伝えるべきメッセージ(広告文)が決まるということを理解しましょう。
9. 全てのグループで同じ広告文を使用する(検索ネットワーク)
せっかくキーワードのグループ分けをしたのに、それぞれのグループにある広告文をみると、全て同じ広告文が使われている…
これではグループ分けをした意味がありません。
10. 広告のタイトル部分にキーワード(若しくは関連するキーワード)が挿入されていない
広告のタイトル部分にキーワード(若しくは関連するキーワード)を挿入することで、
(検索ユーザーの潜在意識に訴えかける) x (広告が太字で表示される)
= (クリック率のアップ) = (品質スコアのアップ)
というダブルの効果を得られるだけではなく、広告とキーワード & 検索クエリの関連性という視点から直接的な品質スコアの向上も期待できるのです。
一石二鳥どころか、一石三鳥~四鳥の鉄板ルールです。
これを実践するために、できるだけグループを細分化することが大切です。
11. 広告文を一つしか用意しない(広告文のテストをしない)
成功しやすい広告文の書き方はありますが、それも実践でテストしてみなければ、分かりません。(商品やマーケットによって、効果的なテクニックや、逆に通用しないテクニックもあるハズです。)
それを簡単に設定して計測できるのも、AdWords の良いところだと思います。
特に、AdWords の場合は品質スコアの採点がシビアなので、テストを繰り返しクリック率を向上させないと、なかなか上手くいきません。
12. 入札制度を全く理解していない状態で AdWords をはじめる
入札価格と実際に払うお金の仕組みの詳細までは理解する必要はありませんが、設定した入札単価が実際に 1 クリックに対して支払う金額ではない事、オークション形式なので、競合によって左右される程度のことは理解しておきたい。
13. 品質スコアを全く理解していない状態で AdWords をはじめる
もちろんその全てを理解する必要はありませんが(全てを理解するのはムリですが…)、AdWords をはじめるにあたり、クリック率と関連性が大事であるという程度の品質スコアの概要を理解しておくことは、必要です。
品質スコアが原因で、広告が表示されなくなったとの声も、フォーラムによく寄せられています。
14. 一日の予算が低すぎるために、広告の表示機会を損している
選ぶキーワード & クリック単価に対して、1 日の予算の設定があまりにも低すぎると、せっかくの広告表示機会を損失している可能性があります。
それだけではなく、同じクリック数を、もっと安い値段で獲得できる機会を損失している可能性があります。
15. モバイル広告を出したくて、キャンペーンのディバイス設定からフルブラウザ搭載の携帯向け広告を選択する
『携帯サイトの広告』と『フルブラウザ搭載の携帯向け広告』の違いを混同してしまい、携帯サイト専用のモバイル広告(WAP)を出しているつもりが、実は普通に PC サイトの広告を出していたというケースです。
確かにややこしいかもしれませんが、日本特有の携帯サイトの広告と、iPhone や Android などのフルブラウザ搭載の携帯端末に向けた広告とは別だということを理解しなければいけません。
16. AdWords をはじめると SEO の順位が下がると思っている
若しくは、AdWords をやめたとたんに、リンクが無くなるので、SEO のランキングが下がると思っている方…
あまりにもバカげているので細かい説明はしませんが、SEO の順位には直接的には関係ありません。
17. 分析・テスト・改善をしない
はじめに設定したっきり、何も変更しない…
プロでも、一発目の設定で上手くいくケースなど、ほとんどありません。
PDCA サイクル(Plan【計画】 > Do【実施・実行】 > Check【点検・評価】 > Act【処置・改善】)とよくいわれますが、AdWords も例外ではありません。
まとめ
上記のリストに 1 つでも当てはまるのがあれば、改善ポイントとして実行してみてください。
他にもこんな間違いをしている人をみたことがある、というのがあれば、コメントにシェアして頂けると幸いです。
P.S.
今回のタイトルで、初心者という言葉を使ってしまいましたが、若しかしたら、既に実践されているということや、このブログをみて頂いているという時点で、”初心者” という壁は超えているのかもしれません。
卑下しているつもりで自分のことを初心者と呼ぶこともあるかと思いますが、時としてそれが言い訳になり、せっかく伸びるハズのチャンスを潰してしまうような気がするので、AdWords だけに限らず “初心者” という呼び方はあまり好きではありません。
ただ今回は、ブログの記事として受け入れてもらいやすいタイトルをという意向から、その言葉を使わせて頂きましたが、自身を含め経験者でもこの間違いを犯すこともあり得るワケで、これにあるリストに当てはまったから “初心者” だと言っているワケではないので、ご了承ください。
コメント (2)
非常に興味深々で拝見しました。
私の場合はなんかとっつきにくくてAdwordsを敬遠して専らOverture出稿なのですが、これを機会に挑戦してみようと思いました。
Overtureに慣れると、Adwordsは本当につかみ所がなく感じるんですよね。
伊藤さん
コメントありがとうございます。
どちらも、良いところがあるので、上手いこと使い分けられると良いですね。