長年リスティング業界に携わって感じる変化と、今後フォーカスすべきこと

12月 6, 2012 | PPC広告全般, 海外情報

先日、海外のブログ記事で、長年リスティング業界に携わった方が、昔と比べてどう変わってきたかという記事をよんだのですが、すごく共感できる記事だったのでそれを参考に、また僕自身の意見も含めて、皆さんにもお伝えしたい。

単なる翻訳じゃなくって、僕自身も一応この業界で8年ほど関わってきているので、自分なりに昔と今を比べて感じることをまとめてみました。

難しくなってきていること

① 競合 – 広告主は確かに増えてきているので、それに伴いクリック単価も高くなってきている。

単純にリスティング広告というものが広く認知されるようになった証拠でもあるので、それは非常に喜ばしいことだとは思います。

② コンバージョン率の低下 – 競合が増えてくれば選択肢も増えるので、あなたのサイトでなくてはいけない理由は無くなります。確かに昔で言えば、広告さえ出せば売れるという時代もありましたが、今では潜在顧客の求めるレベルも違うのかもしれません。

ただ、これは潜在顧客のニーズは常に存在するわけですし、裏を返せばそれの変化にあわせられていない広告主側の甘えにも聞こえます。

③ クライアント・上司の期待値が高くなってきていること – どれだけ上手にやろうが、クライアント・上司はそれ以上を期待します。

これはリスティング業界だけに限ったことではないと思いますが、今まで歴史が浅かった時代に比べると比較対象が多くなってきたのかもしれません。

簡単になってきていること

④ 便利なツールが増えた – ツールが増えたというか、リスティングの管理画面が使いやすくなったりしたことで、リスティング自体が誰でも使えるツールになってきたと思います。(Google や Yahoo の努力の賜物だと思います。)

一昔前だったら『リスティングは難しすぎて、はじめるのが怖い』という声をよく聞いたのですが、情報も増えてきたこともあって、参入障壁が低くなってきているのではないでしょうか?

⑤ ディスプレイネットワーク – 以前であれば、検索連動型広告との違いすら分からないという方が多かった(AdWords の管理画面でも、あまり区別していなかったことが原因だとは思いますが…)のですが、今ではリマーケティングの登場もあり、それを使用していないユーザーの方が少ないくらいです。

これからやるべきこと

⑥ クライアント・上司には正直・正確に伝えること – 上にも書いたけど、どれだけ上手にやろうが、クライアント・上司はそれ以上を期待します。でもそれは、伝える側にも問題があります。

どうしても、上手くいったことだけを伝えたり、上手くいかなかったことも伝え方次第でカバーしようとしたりします(もっといえば、数字をごまかそうとする人もいます)が、それって本来あるべき姿ではないように思います。

悪いことは悪いこととして伝えられる勇気(更には、そう伝えられるだけのクライアント・上司との関係性)が大事だと思いますし、そこから本当の改善案が生まれるのではないかと思います。

そして、それを楽しめるようになったら、素敵だと思いませんか?

⑦ 自動ツールと上手く付き合うこと – 僕はどちらかと言うと自動化に対しては否定的な方です。(もちろん本来は、全部自動化してくれることが理想ではあると思いますが、我々のような専門家がいることが、そうじゃないともあることを証明していると思います。)

でも、全ての自動ツールに否定的になる必要はありません。

昔に比べて、随分と使える自動ツールは増えてきたと思いますし、そのツールを理解してコントロールすることが出来れば、大きな時間の節約になり、次に挙げるようなもっと大事なところにフォーカスすることができます。

⑧ クリエイティブ – リスティングの運用には、もちろん機械じゃできないこともあります。

その代表が広告文ランディングといった、クリエイティブの部分ではないでしょうか?

ここを伸ばすためには、運営者自身が商材(もっと言えば潜在顧客)をよく理解しなければいけませんし、それ以上に、ただのリスティング運営者ではなくマーケティングというスキルが今まで以上に必要になってくるのではないでしょうか?

⑨ リスティング広告単体で考えないこと – アトリビューションとかマルチチャネルとか、まあその言葉それ自体はどうでも良いこと(言葉の方が独り歩きしちゃってる感じが嫌)なのですが、ソーシャルメディアやオフライン広告といった経路のひとつとして、または全てのマーケティング経路のパーツにリスティング広告があるという考え方で、総合的なマーケティングの戦略まで考えられるやつのほうが強いと思います。

⑩ 短期的な数字だけにとらわれないこと – 毎日単価を変えて、毎日の微妙な変化に一喜一憂している人をみかけますが、そんな人を見るたびに 『疲れませんか?』 と聞きたくなります。

また、広告やランディングのテストでも、パフォーマンスをあげるためではなく、テストをすることが目的になっている人もいます。

もちろんテストは大事ですが、何の変化も望めない細かいテストをして、仕事をしている気分になることはバカげてると思います。

リスティングの専門家だからと言って、そこだけにとらわれるのは残念なことだし、上にも書いたけど、やるべきことは他にもたくさんあります。物事を大きく考えたほうが改善の幅も大きいと思います。

まとめ

リスティング広告を使用する人、それと同時に真剣に運営する人が増えてきているのは、すごく喜ばしいことです。

今まで、この業界でもいろんな変化がありましたが、それと共に自分自身も変化していかなければいけないと…

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