除外キーワードを追加しても、品質スコアには影響しません

3月 1, 2012 | 品質スコア

よく、除外キーワードを追加すると、クリック率が良くなるので、品質スコアにも良い影響があるのではないかという理解でいる方が多いのですが、そんなことはありません。

※ 除外キーワードを追加しても、品質スコアには影響しませんというだけで、除外キーワードが必要ありませんといっているわけでは無いので誤解のないように。無駄な表示をなくし、費用対効果を高めるという意味では、除外キーワードを設定することは大事なことです。

かなり前に、『キーワードのマッチタイプによって生じるクリック率の違いは、品質スコアに影響しない』 という記事でも書いたのですが、キーワードが完全に一致して検索された場合のクリック率が品質スコアに反映されます。

つまり、『液晶 テレビ』というキーワードを部分一致で選択した場合、『32型 液晶 テレビ』と検索された場合にも広告が表示される可能性はあるのだが、『32型 液晶 テレビ』で検索された時のクリック率は、品質スコアには反映されず、『液晶 テレビ』で検索された時のクリック率のみが、品質スコアには反映されます。

図で表すなら、

完全一致のみが品質スコアの測定対象になる

ということになります。

ということは、除外キーワードの影響があるのは、完全一致以外のキーワードですので、除外キーワードで表示されない状態でも、品質スコアの計算には影響がないということになります。

完全一致のみが品質スコアの測定対象になるので除外キーワードを設定しても品質スコアは変わらない

これに関しては、Google の広告品質 Senior PM も、除外キーワードを追加しても、品質スコアには影響しない事を明言していますし、Google の Frederick Vallaeys からの資料にも、同じ図解があります。

こんなことを記事にすると、いろんな反論が出てくるのが通例ですが、次にその代表的な反論に答えていきたいと思います。

ヘルプにそのようなことが書いてあるんですけど…

まずは、こちらのヘルプをみてください。

除外キーワードを使用しないと、提供する商品やサービスに関心のないユーザーにも広告が表示されることになります。このようなターゲットが絞られていないトラフィックが増えると、キーワードの品質スコアが下がり、投資収益率が低下する可能性があります。アカウントにキーワードを追加する際は、除外キーワードを含めすべての候補を慎重に検討してから追加してください。

あたかも、除外キーワードを設定しないと、品質スコアが下がるような記述があります。

Google のヘルプに対して、こんなことを言うのはちょっと恐縮なのですが、この記述は間違いです。

その証拠に、英語のヘルプには、その記述は既に訂正されています。

not using negative keywords can mean that your ads are shown to users who aren’t interested in your business or service. This untargeted traffic can hurt your return on investment. Consider all your potential keywords carefully, including negative keywords, before you add them to your account.

この英語のヘルプが訂正された理由は、『除外キーワードを追加しても、品質スコアには影響しません』 という議論が、Google 公認のものとなり、その流れで訂正されたものです。

ですので、日本の関係者がもしこの記事をみて頂けているのであれば、誤解を招きかねないので、その対応をして頂けたらと願っています。

除外キーワードを設定すれば、広告レベルやアカウントレベルでのクリック率は良くなるんじゃないの?

広告レベルやアカウントレベルの品質スコアというのも存在しますが、アカウント上に見えているクリック率が全てではありません。

広告レベルやアカウントレベルの品質スコアというのも存在しますが、アカウント上に見えているクリック率が全てではありません。

完全一致のクリック率だけを割り出すのは、クエリのレポートを使えばご自身でもみれますし、Google の技術があれば、それらを選別するのは容易だとは思いませんか?

完全一致だけ表示させない設定にしたらどうなるの?

例えば、液晶テレビというキーワードを部分一致で設定して、液晶テレビというキーワードを完全一致で除外した場合。

液晶テレビ(部分一致)
−[液晶テレビ]

この場合、液晶テレビ以外の部分一致には表示されますが、液晶テレビの完全一致には広告は表示されません。

ということは、品質スコアの計算は、全くされないということになるんじゃないかという疑問です。

これに対する答えは、品質スコアの計算は、その検索クエリに基づいて検索されるたびに適応されるという事です。

つまり、

液晶テレビ(部分一致のキーワード)
32型液晶テレビ(検索クエリ)

の場合、液晶テレビの品質スコアではなく、32型液晶テレビの品質スコアが適応されるということです。(もちろん、管理画面上ではその数字はみえませんが…)

場合によっては、部分一致で表示させたほうが有利になるんじゃないの?

つまり、マッチタイプによって品質スコアが変わらないというのであれば、

液晶テレビ = 7/10
32型 液晶テレビ = 4/10

という場合、あえて『32型 液晶テレビ』というキーワードを設定して広告を表示させるよりも、そのキーワードをあえて設定せずに、『液晶テレビ』の部分一致で表示させたほうが有利になるんじゃないかという疑問です。

これも、考え方によっては上記と同じ疑問と回答になるのですが、32型液晶テレビの検索クエリには、”32型 液晶テレビ = 4/10″ が適応されるので、どちらにせよ同じであるということです。

もちろん、関連性やら広告文も品質スコアに絡んでくるので、『32型 液晶テレビ』に広告を出したいのであれば、そのキーワードを設定して、それに合わせた広告文を書くことが得策であると言えます。

まとめ

かなりややこしい話になってしまいましたが、最後の 2 つの疑問に関しては、正直なところちょっと僕の理解が浅い部分もあるので、恐らく議論する余地はあると思いますが、今のところ海外で論議され明確になっている部分はこんな感じかなと…

最後に再度、上記と同じ注意書きをしておくと、除外キーワードを追加しても、品質スコアには影響しませんというだけで、除外キーワードが必要ありませんといっているわけでは無いので誤解のないように。

またアップデートがあれば、このブログでシェアしたいと思います。

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コメント (2)

 

  1. hiro より:

    いつも参考になる情報をありがとうございます!

    部分一致で登録したkwのスコアが
    登録したkwの完全一致のみ反映されるというのは
    初めて聞きました。

    こちらはGoogleからの公式の情報でしょうか?

  2. グーグル アドワーズ ラボ より:

    hiroさん

    コメント有難うございます。

    記事の内容をしっかり読んでいただけてないのがちょっと残念です(伝わってないということは、僕の記事の書き方も工夫しないといけないということですね… スイマセン)が、Google の公式です。

    日本語ではこちらのヘルプとかで読めます。
    http://support.google.com/adwords/bin/answer.py?hl=jp&answer=68095