品質スコア専門の本 – Quality Score in High Resolution
8月 31, 2011 | 品質スコア, 海外情報
先日、Quality Score in High Resolution という品質スコアだけについて書かれた本を購入しました。
海外の AdWords エキスパート達がオススメしていたこと、Google の中の人たち(しかも広告クオリティーチーム)による監修があること、更には 149 ドルという本にしてはまあまあの値段だったこともあり、ちょっと期待して買った本がようやく届いたのです。
品質スコアに関しては、世の中に出回っている情報はだいたい網羅しているという自負が多少あったのですが、それを覆してくれる面白いことを幾つか発見したので、シェアしたいと思います。
※ 品質スコアについて基本的な知識を持っていることを前提に話を進めますので、自信のない方はまずはこちらの記事を読んでから、以下読み進めると良いかと思います。
海外ではアカウントの売買までされている
アカウントの履歴が品質スコアに影響するということは、何度かお伝えしたので周知のことだと思います。
例えば、僕が管理している古いアカウントの中で、登録してある 3065 個のキーワードが、
品質スコア 10 = 1014 個
品質スコア 9 = 61 個
品質スコア 8 = 801 個
品質スコア 7 = 1186 個
品質スコア 6 = 3 個
品質スコア 5 以下ナシ
という優秀なアカウントがあるのですが、そのアカウントに新規にキーワードを追加する場合など、優遇されている事を肌で感じることができます。
海外では、そういった古い優秀なアカウントが売買されているというのです。
正直なところ、僕自身はその必要性は感じませんし全くお薦めはしないのですが、そんな事実があること自体、ちょっと驚きでした。
まあ SEO でいうなら、オールドドメイン(中古ドメイン)の販売と似ていますが、そもそも SEO よりも面倒なことが少ないのが、AdWords の良い点でもあるわけですから、なんか残念です。
広告&キーワードレポートの活用
キーワードと広告の組み合わせで、品質スコアが決まることも、既に知っていると思います。
つまり、[キーワード A] に対してアカウント内ではひとつの品質スコアしか表示されませんが、[広告 a] と [広告 b] の複数がそのグループに設定されていた場合、それぞれの広告のクリック率が異なったりするので、
[キーワード A] + [広告 a]
[キーワード A] + [広告 b]
は、それぞれ品質スコアが異なるという意味です。
しかも、AdWords アカウントを見ていただけでは、どのキーワードに対してどの広告が表示されて、どれだけのクリック率だったかを知ることができません。(※ 1 グループに 1 つしかキーワードがない場合を除く。)
そこで、次のレポートを活用するとそれを調べることができます。
- 広告のタブをクリック
- レポートのダウンロードボタンを押します
- 分割 + セグメントの追加から [キーワード/プレースメント] を選択
- [作成] ボタン
それぞれのキーワードにそれぞれの広告文が振り分けられたレポートが出来上がるので、組み合わせのクリック率の違いを知る調べることができます。
グループ分けを細かくしている人はあまり必要ないかもしれません(僕自身も、細かくグループ分けをするほうなので、あまりこのレポートを活用していませんでした)が、同じグループに複数のキーワードが設定してある場合は、キーワードと広告の組み合わせによって、クリック率の違いがあるか調べてみるのも良いかと思います。
『入札価格(順位)を引き上げても、品質スコアは上がりません。』はウソ!?
広告品質評価システム更新が Google からオフィシャルで発表されて以来、入札価格や順位を引き上げても、品質スコアは上がらないという常識が正論となりました。
ところが、このアルゴリズムは完璧には機能していないというレポートがあり、更には Google の広告クオリティーチームもそれを認めているようです。
もちろん、完全には否定出来ないというレベルですが、若しかしたら古くに言われていた、
新しくキーワードを追加したときは、まずは入札価格(順位)を高めにしておいて、ある程度クリック率を確保してから、入札価格を下げる
という手法が、若しかしたら有効なケースがある “かも” しれないということです。
まあ、その程度のことなので、僕自身その為のアクションをすることは無いと思いますが…
グループ・キャンペーンレベルの品質スコアは存在するのか?
キーワードレベルの品質スコアの他に、アカウントレベル・広告レベルでの品質スコアが存在することは認識されていますが、グループレベルとキャンペーンレベルの品質スコアに関しては、過去にもいろんなところで論議がされています。
僕自身それはどうでも良いことなので論議することすらナンセンスだと思っているのですが、この本ではそれを理論付けて、グループレベル・キャンペーンレベルの品質スコアは存在しないと結論づけています。
Google のいう関連性とは何か?
ちょっと心を動かされたのが、この部分です。
結論からいうと、Google のいう関連性とはクリック率のことであるということを言っています。
つまり、Google のいう関連性とは辞書的に関連性があるという意味ではなく、クリック率が指標となって AdWords ではそれが辞書代わりになっているということです。
そうなると、品質スコアの指標に既にクリック率は存在するので、『関連性 = クリック率』というのであれば、そもそも関連性なんていわなくても良いのではないかという疑問が湧いてきますが、そのへんのことも含めて、面白い理論が展開されています。(長くなるので、この件に関しては割愛しますが…)
ユーザーの行動分析から、キーワードが挿入されている広告文のほうがクリック率が良いことが分かっているのでそうしているのであって、キーワードを挿入することが目的ではないということです。
まだ半信半疑な部分はありますが、つまりキーワードをそのまま広告に使っているのに、品質スコアが悪いというケースに限っていえば、全く違ったクリエイティブを試してみるのも良いかもしれませんということです。
ランディングページが品質スコアに与える影響
ランディングページにキーワードを盛り込んだほうが品質スコアが良くなるのではないかという人もいるのですが、こちらも Google の承認付きで否定されています。
つまり、ランディングページの評価は、問題があるときには品質スコアに影響を与えるけど、問題がなければプラスに作用するような工夫や戦法はないということです。(問題がなければ、それ以上何もすることはないし、キーワードをランディングに追加する必要もない。)
これに関しては、海外ではほとんどの意見がそれなので、今更という感じもありますが、一応 Google からのお墨付きがあったことは最新かなということで。
まとめ
もちろんこの本が全てではないですし、どれをどこまで信じるかは、あなた次第です…笑 (というか、それ以上を求めるなら、本を買って読んでみてください。)
それにしても、品質スコアのネタだけで本が出るというところは、さすがの英語圏という感じです。
コメント (2)
パソコンの世界は進歩が早いのでwindowsを使いこなせる人はいないでしょう。それぞれの人は得意分野はあるでしょうが、それ以外はだめという人ばかりでしょう。windowsはすごすぎて。
私はベーシック時代の人間で、ホリエモンが会社を立ち上げた時の時代です。DOS-Vが出した頃結婚してパソコン辞めました。しかしまた始めたのがwin95の時で、ネットもまだISDNが導入されていない時で、B.Bが始まりだした時都合でまたパソコンを始めましたが、ネットも変わりました。今の人はパソコンを使いこなしてると思っているでしょうが。大きな勘違い。マシン語でプログラム組める人でなんとかと思います。だからリスティング広告など使うことが無いと思っていましたからさっぱりわかりません。
余談ですがgoogleadwordsは無料お試し券がきたからやってますが、券が来た日にyafooのリスティング広告を申し込んだ日でした。yahooはなにもかもやってくれます。
これは内緒ですよ。
岸さん
コメントありがとうございます。
仰る通り、一番の問題はそこなんですよね。
内緒の話ではなくその通りで、AdWords は難しすぎるという理由で、Yahoo を好む方は少なくないですよ。
私自身も、出来る限り分かりやすく噛み砕いた情報発信を心がけているのですが…
つい難しくなりがちで申し訳ございません。