直帰率って、本当は何を意味するの?

11月 6, 2009 | アナリティクス, レビューと解析

Analytics を利用している人であれば、評価の指標として “直帰率” というのがあるのをご存知ですよね。

Google Analytics のヘルプを引用すると、下記の説明があります。

直帰率とは、閲覧開始ページ (リンク先ページ) からサイトを離脱した訪問、つまり 1 ページだけを閲覧したセッション数の割合で、セッションの質を評価することができる重要な指標のひとつです。一般的に直帰率が高い場合は閲覧開始ページのコンテンツと、ユーザーの興味関心との関連性が低いと考えることができます。

簡単に理解するなら、『直帰率が低ければ、それだけユーザーに興味を持ってもらっているということなので、良いサイト』と理解している人が大半ですし、僕自身も最近まではそうでした。

ところが、具体的に何がどうなった場合が “直帰率” と呼べるのかを考えると、単純に人気の指標として利用して良いのかと疑問が湧いてきます。

単純に、『ユーザーが、サイトの 1 ページだけをみて離脱した』という事実だけでも、下記の場合があります。

  • ブラウザを閉じる
  • ブラウザのタブを閉じる
  • ブラウザの戻るボタンを押す
  • アドレスバーに別の URL をタイピングして移動する
  • ページ内にある別サイトのリンクをクリックする

はじめの 4 つはさておき、ページ内にある別サイトのリンクをクリックして離脱する場合を、更に深く考えてみましょう。

そのサイトにあるリンクが有益であるからそのリンクをクリックしたわけであり、リンクを紹介したそのページは良いサイトと言えるでしょう。

更には、ショッピングカートが別ドメインだったらとか、リンクを別のタブ(ウィンドウ)で開いたらとか、いろんなケースが考えられます。

この場合に限れば、1 ページだけをみて離脱すること自体、悪いことのようには思えませんよね。

リンクをクリックして離脱する場合は、戻っていないので “直帰” ではなく “参照” である という説があるので、そもそもページ内のリンクをクリックする行為は、直帰率につながるのでしょうか?(Wikipedia で Bounce rate 【直帰率】を調べると、リンクをクリックするのもそれに含まれていますが…)

更に、Google Analytics の Avinash Kaushik 氏のブログ で紹介してある定義を読むと、更に混乱します。

It is usually measured in two ways:

  • The percentage of website visitors who see just one page on your site.
  • The percentage of website visitors who stay on the site for a small amount of time (usually five seconds or less).

一般的に、下記の 2 通りで測ります。

  • 1 ページだけをみるビジターの割合
  • 数秒だけ(通常は 5 秒以下)しかサイトに滞在しないビジターの割合

『そもそも、Analytics のヘルプとなぜ定義が違うの?』と言いたくなりますが、この 2 通りで直帰率を測っているということは、

『2 ページ以上みた場合でも 5 秒以下であれば、直帰率になる』ということになるような気がします。(そうでなければ、『数秒だけしかサイトに滞在しないビジターの割合』を定義する必要がなくなります。)

細かいことは考えずに、単純に

直帰率が高い = 悪い
直帰率が低い = 良い

を指標として、利用すれば良いのですが、なんかスッキリできませんよね♪

誰か、説明できる方がいましたら、コメント頂くかこちらからご連絡頂けると幸いです。

素敵な答えであれば、先日 Google 本社へ研修に行った時の Google ストアで買った グッズをプレゼントしたいと思います。

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コメント (5)

 

  1. t32k より:

    まず、直帰率の定義の違いは使うアクセス解析ツールによって定義が違うのかもしれません。
    (僕はGoogle Analyticsしか使ったことがないので分かりませんが。。)
    そのためWeb Analytics Asociationなどの団体が共通のガイドラインを作成してたりします。
    Insight for WebAnalytics: WAAがアクセス解析用語定義の新版(案)一部翻訳第2弾
    http://ibukuro.blogspot.com/2008/09/waa2.html

    直帰率が高いと悪いのかは一概には言えないのが本音ではないでしょうか。
    衣袋さんもおしゃっていますが、サイト自体皆ユニークだし、
    ページレベルで考えてもユニークですし、いろんなケースが考えられます。

    Insight for WebAnalytics: アクセス解析で直帰率の平均は意味がない
    http://ibukuro.blogspot.com/2008/03/blog-post_19.html

    Q) Google Analyticsの直帰率は検索順位に影響しますか? – SEO&SEM 五足の靴
    http://sem.kwhunter.com/2009/02/q-google-analytics.html

    また、セッションクッキーの期限はたいていが30分なので、読むのに30分以上かかって
    次のページを見たとしても最初のセッションは直帰となります。

    結局は、自分の使っているツールの定義とページの目的を
    しっかり把握して判断する必要があると考えます。

  2. グーグル アドワーズ ラボ より:

    t32k さん

    コメントありがとうございます。

    > サイト自体皆ユニークだし、ページレベルで考えても
    > ユニークですし、いろんなケースが考えられます。

    紹介した Avinash Kaushik 氏のブログ記事にもそれが書いてあるので、
    そのへんは理解できるのですが、単純に直帰率の意味を知りたいのです。

    t32k さんの他にも、メールを頂いたりしているのですが、
    みなさん言っていることがバラバラで、余計に混乱してきました…笑

  3. BizIA より:

    初めまして。気になったのでいろいろと考えています。

    指標としての”直帰率”と、言葉としての”直帰率”が混同していることが混乱の原因ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
    つまり、指標としての”直帰率”の定義である「直帰した人の割合」には解釈は含まれませんが、言葉としての”直帰率”には、「直ぐ帰ってしまった」という否定的な印象が含まれており、そのギャップが混乱の原因ではないかと考えました。
    指標としての”直帰率”を”直帰率”と呼ばずに、「全セッションに対する、ページビューが1のセッションの割合」と定義そのままで呼ぶと、意味合いの違いがでるので解りやすいのではないかと思います。

    実は今回の記事を拝見して、記事を書いているのですが、頭がこんがらがっていてまだしばらく出来上がらなそうなので、とりあえずコメントさせていただきます。

    追伸:ところで、Avinash Kaushik氏といえば最近出た「WEBアナリスト要請講座」を書いた方だと思いますが、その本の中では”直帰率”のことを「10秒以内で離脱した人」と1つだけ書いていましたが、そちらの方が新しいということになるんでしょうか。

  4. グーグル アドワーズ ラボ より:

    BizIA さん

    コメントありがとうございます。

    またしても新しい情報が出てきてしまいましたね♪

    話は変わりますが、BizIA さんのサイト素敵ですね。今後、ちょくちょくお邪魔させて頂きます。

  5. グーグル アドワーズ ラボ より:

    t32k さん
    BizIA さん

    メールでコメント頂いた方には既にプレゼントをお渡ししていた
    のですが、ブログのコメントの方への対応が遅れまして、
    申し訳ございません。

    http://www.google-adwords-lab.com/contact/
    こちらより、プレゼント発送先の住所と連絡先を頂ければ、
    Google のグッズを発送いたします。

    ※ ちなみにプレゼントの発送は、ここまでとさせていただきます。