コンテンツネットワーク – 6 つの利点と 2 つの欠点
8月 6, 2009 | ディスプレイネットワーク, 検索ネットワーク
先日、ある起業家の方と話をしていた時に、『アドワーズの集客があまり上手くいっていないのですが…』 という相談を受けました。
よく話を聞いてみると、コンテンツネットワークからの集客がメインで、1 クリックあたり 150 円ぐらい払っているということでした。
もちろんマーケットによって違うので、一概に 150 円を高いと判断するのは危険ですが、それでも “高い” と感じてしまいました。
今回は、コンテンツネットワークはGoogle 検索ネットワークと比べてどこがどう違うのかという話をしたいと思います。(バナー広告やメルマガ広告と比較しだすとまた話が長くなるので、今回はその話はナシで、単純に検索と比べてということです。)
利点
利点 1. 表示回数がハンパなく多い
もちろん、キーワードのグルーピングをしっかり行うことが条件ですが、一般的には検索ネットワークに比べると、比較にならないほど表示回数が多くなるハズです。
そのため、支払い方法を PCM に設定して、クリックはされなくても広告が目に留まれば良いという戦略も行うことができます。(もちろん、それ以外の戦略もできますが…)
利点 2. 大量のビジター
こちらも戦略次第ですが、潜在顧客の数は検索ユーザーに比べるとはるかに大きな可能性を含んでいます。
利点 3. クリック単価が安い
こちらの記事にも少し書きましたが、クリック単価は安めで OK です。
Googleの推薦では、コンテンツマッチの入札価格は、検索の入札価格の75%ぐらいが適当だといっています。
ちなみにこれは、英語圏の顧客に向けて話していたことです。(僕の経験では、検索の入札価格の50%ぐらい(若しくはそれ以下)が表示回数&ROIなどを考慮して、一番良いのではないかと思います。)
利点 4. 広告の種類が豊富
イメージ広告、動画広告、などなどの広告が使えるのは、コンテンツ・プレースメント広告ならではの楽しみです。
利点 5. 競争が少ない
“クリック単価が安い” にもつながるかもしれませんが、検索ネットワークに比べて、コンテンツネットワークをやっている人(上手くやっている人)は、まだまだ少ないです。
上記で、Google が英語圏の顧客に向けて話していた “検索の入札価格の75%ぐらい” というのと、日本のマーケットにギャップがあるのは、まだ日本ではコンテンツネットワークを使用している人が少ない証拠なのかもしれませんね。
利点 6. 競争相手にどこに広告をだしているのかバレにくい
検索の場合であれば、そのキーワードで実際に Google 検索してみれば、どんな広告が出ているのか把握することができます。逆に言うと、競合店がそのキーワードを買っていることを知ることができます。
ところが、コンテンツネットワークの場合は、どこに競合店の広告が出ているのか想像することも難しいですし、なぜ(どんなキーワードを設定して)そこに広告が表示されているかを知ることも至難の業です。
欠点
欠点 1. コンバージョン率が低い
コンテンツネットワークでは、自発的では無い顧客に対して興味を持たせ、商品購入・申込みなどのアクションを説得しなければいけません。
考え方としては、まだ買うと決断できない人には、リードジェネレーションという手法を取ったりすることで、ファーストアクションの敷居を低くしてあげることが大事です。
コンテンツマッチを攻める場合は、ニーズ商品よりもウォンツ商品の方が向いているのかもしれません。(アドワーズの広告の話だけではなく、この何でもある時代・モノが溢れかえっている時代にビジネスをするなら、ニーズ商品よりもウォンツ商品の方が良いという話もあるが…)
ウォンツ商品とは、衝動的に高いお金を出して買ってしまう商品や、既に持ってるのにもう一つ欲しいと思ってしまう商品などのことです。
つまり、
潜在的なウォンツに応えてあげられるか?
潜在的な悩みを解決してあげられるか?
このへんが、キーポイントになってきます。
欠点 2. クリック率が悪い
欠点と呼んで良いのか分かりませんが、検索に比べるとクリック率が悪いです。(表示回数が多いので、検索のときと同じようにクリックされてもちょっとゾッとしますが…笑)
ここで一つだけ理解して頂きたいのが、キーワード検索の広告のクリック率と、コンテンツネットワークのクリック率は全く別物だということです。
の記事に詳しいことは書きましたが、コンテンツネットワークのクリック率が検索ネットワークの品質スコアに影響を与えることはありません。
だからと言って、クリック率が低くて良いというワケではありませんが…
自発的でない顧客に対して振り向いてもらうためには、よりクリエイティブで魅力的な広告・商品である必要があるのかもしれません。
まとめ
『物販サイトの広告は、コンテンツネットワークでは成功しない』 という話を耳にしたことがありますが、個人的にはそうは思いません。
検索ネットワークで売れてるモノであれば、コンテンツネットワークでやっていける可能性も十分あります。(実際に、物販サイトのアドワーズ広告でコンテンツネットワークを使って、コンバージョン数をアップさせた事例もあります。)
要するに、上記の利点と欠点を理解したうえで、正しい戦略ができるかどうかです。
まだはじめてない人は、是非チャレンジしてみてください。
コメント (3)
コンテンツマッチを実践している上で、1つ質問があります。
今現在、ターゲットを広げたキーワードがそこそこうまくいっています。
例えば、ベビーカーや離乳食のコンテンツをターゲットにした所に紙おむつの広告を出すといったニュアンスです。
予算がまだあるので、もう少しターゲットを広げたいと思っています。
料理の方法やファミリーカーの車種、さらにレゴブロックなどまで紙おむつの広告を広げるといった感じです。
例えが下手かもしれませんが、あくまでも思いつきで出した例です。
そこで取り掛かる前に、不安に思っていることがあります。
それは、あまりにも商品と関連性のないキーワードで広告を出すと表示が少なくなってしまったり、下手をしたらスラップを受けることがあるんじゃか?
という不安です。
なぜやる前から不安になるかというと、無理矢理クリックを集めるためにスパムをする人がいるはずだ、とAdwords は考えていると思うからです。
大量に関係のないキーワードの広告グループを出稿する広告主もいる。
どこかで歯止めをかけなければいけないと思っているはずだ、と。
でも、いろいろ考えてもその歯止めの境界線がいまいちピンと来ません。
僕は、クリック率がそのキーワードの競合に比べてよほど悪くなければ、結構キーワードを飛躍させてもいいような気がするんですが( Google のポリシーが「ユーザーの求める情報を提供すること」だと捉えているので)・・・
本来なら自分で失敗しながら検証をするのが筋でしょうが、たくさんの経験を積んでいらっしゃる鷲見さんの見解をよければお教えしてもらえませんでしょうか?
もも太さん
いろいろ考え過ぎのような気がします。
広告を出す以上は、クリックを集めたいというのは自然なことで、フェアにやっていれば、キーワード&グループを増やすことは、当たり前の戦略だと思います。
すっきりしました。
迷っていた自分がバカらしく思えます。
どんどん思いついたことを実践してみます。
ありがとうございました。