ページランク スカルプティング(PageRank sculpting)騒動から学ぶ
6月 19, 2009 | PPC広告全般, SEO 対策, 検索ネットワーク, 海外情報
今、あのGoogleサーチクオリティチームのリーダー、Matt Cutts(マット・カッツ)氏のブログが非常に賑わっています。
SEO について詳しい方は既に知っていると思いますが、賑わっているその理由は、SMX でページランク スカルプティングが以前のような効果を持たなくなっていると発言し、SEOの世界に大きなショックを与えてから数週間後、ようやくブログで詳細を発表しました。
ここまでの話が、よくわからない人の為に、少し脱線します…
ページランク スカルプティングとは、プライバシーポリシーページなど、検索結果に表示させる必要のないページへのリンクには、nofollow をつけて、余計なページランクを渡さないように設定したり、アンカーテキストをコントロールをする SEO の手段です。
詳しく知りたい人は、海外SEOブログをやっている鈴木さんのブログが参考になると思います。
その内容は凄く分かりやすい説明で、僕自身もスカルプティングは今まで当たり前のように使っていましたが、これからは気にしなくても良いと説得させられる内容であると同時に、SEO エキスパートやらいろんな人のコメントがたくさん寄せられて、面白いことになってます。
その中で、特に面白いと思ったことを 2 つ紹介します。
1. Matt Cutts 氏は、夜中 12:30 ごろ寝る
Matt Cutts 氏自身も寄せられたコメントに対してフォローアップでコメントしていたのですが、夜中 12:31 のコメントに、
『もう寝るので、長時間コメントに返信が無くても心配しないでね。』
と残されていました…
その日の昼にまた、
『今日はミーティングの日なので、コメントの返信は今夜になりそう。』
というコメントも…
立場的には、そんなことをする必要もないのに、批判的なコメントにも誠実に対応していたり、すごく親切で、気遣いができる素晴らしい人だなと、改めて感じます。
2. この変更は 1 年以上前にされていた
Matt Cutts 氏の言葉をピックアップしてみると、
『 SEO に関していろいろ実験&検証をしている人がいるが、1 年以上前にされていたにも関わらず、そのことに気がついた人は誰もいなかった。』
『もっと大きなアルゴリズム変更したときにも、誰も気がつかなかったことがあるので、それは驚くことではない。』
『誰も気がつかないくらいの変更なので、そもそもスカルプティング自体が、それほど効果的なものではなかったのだろう。』
という話です。
ブログのコメントには、『最近 SEO エキスパートという人に、スカルプティングが有効だといわれたけど、騙された!』 っと、騒いでいる人もいましたが、まさにその通りです。
僕自身を含めて、SEO や PPC の話をしている人たちは、実験&検証(他人の報告を含めて)に基づいて、想像で話をすることが結構あります。
そして、それが間違っていることもあります。
『じゃあ、そもそも SEO や PPC を知ることは不可能なのか?』 というと、そんなわけはありません。
実証されたモノもありますし、それで効果がありビジネスをして儲けている人たちがいるのも確かです。
大事なことは、あなた自身が 『間違っていることもある』 という認識を持ったうえで、何をすべきかを決めるだけの目をもっていなければいけないのです。
実験&検証はしているものの、データが十分ではないのに、『 〇〇 は SEO に有効だ!』 という人もいれば、そもそもその検証の仕方が矛盾していたりすることもあります。
なので僕の場合、情報のリソース元はすごく慎重に選んでいます。
それでも 100% 正しい情報を提供できるかというと、そんなワケはありません。若しかしたら、このブログに書いてあることにも、間違いはあるかもしれません。(はじめから間違うつもりでは書いてませんが…笑)
何度も言いますが大事なのは、このブログの記事を含め、誰かが何かの実験&検証を行い、それに基づいて結論を出した時に、そこから何をすべきかを決める、
- 自分でも再検証してみる
- その事例に習い突き進む
- それは嘘だと切り捨てる
の決断をするための知識が SEM の世界では必要なのではないかと感じています。
最終的に、決断して行動するのはあなた自身です。そして、その成果を得るのもあなた自身です。
P.S.
Matt Cutts 氏自身も、こういった話で盛り上がるのが好きだと話していたことがありますし、検索のアルゴリズムを作ってる人たちと、こんな感じで意見を言い合えること自体が素敵だと思います。
アルゴリズムを公開して、フィードバックをもらって、そしてまた改善するというスタイルが、Google の現在の地位を確立する理由にもなっているのでしょう。