広告代理店の方々、AdWords の規約が変更になりますが、準備は良いですか?

8月 24, 2010 | PPC広告全般, 海外情報

広告代理店に AdWords を全て丸投げしている方の中には、実際にどれだけのお金が広告費として使われているのか把握していない方もいるみたいです。

例えば、100 万円を広告代理店に支払い AdWords に広告を出してもらい、そこから 200 万円の利益があったとします。

でも、広告代理店が実際に AdWords の広告費として使った金額が 30 万円だったら、あなたはどう思いますか?

ボッタクリだと思う方もいるかもしれませんが、相場を知らなければ(若しくは、実際に AdWords の費用額を知らなければ)、100 万円の広告費で 200 万円の利益が上がれば、それは良いことなのかもしれません。

クライアントにしてみれば、余計なことを知らなくても、広告代理店に支払う金額以上の利益があれば、それでハッピーなのかもしれませんし、それ以上のことを知る必要もないですよね。(それで成果が出せるのであれば、それが広告代理店の実力であるともいえます。)

上手くいっている場合はそれでも良いと思いますが、その逆を考えた時にはどうでしょうか?

クライアント(広告代理店に仕事を頼んでいる広告主)にしてみれば、上手くいっていない “何故” を追求したくなるのが自然の流れでしょう。

新たに追加される Google の要求

1 ヶ月ほど前に、サードパーティーが AdWords の広告を代理で行う場合に、実際に AdWords で発生した

  • コスト
  • 表示回数
  • クリック数

最低この 3 つの提示を、広告主は代理店に対して要求することが出来るという規約を追加することを Google は決定しました。

そんな規約が無い今でも、恐らくそれ以上のレポートを提示している代理店が大半だと思うのですが、2011 年 2 月から全ての代理店に、これが務付けられるようです。(とりあえず、対応していない代理店のために、6 ヵ月の準備期間があるみたいです。)

ちなみに僕自身は、いずれは自社でアカウントを管理出来ればそれが理想だという考えのもと、実際に動かしているアカウントをクライアントに見てもらって、どこをどうしたら結果的にどうなったという話をしながら運用しているので、あまり影響はない話ですが…

Google の視点

Google にとって痛手になることは、代理店のせいで AdWords は上手くいかなかったと思われてしまうことです。

例えば、広告主に 100 万円の広告予算があったとします。

その 100 万円を代理店に支払い、代理店は 100 万円のうちの、50 万円を AdWords の広告に使ったとします。(僕も海外のでの話を聞いて驚いたのですが、実際に 50% 以上のマージンを取る広告代理店も存在するみたいです。)

そして、広告費を抜いた利益が 75 万円しかなかった場合、広告費のことを考えると 25 万円のマイナスになってしまいます。

いくら AdWords 広告に使っているか知らない広告主は、『赤字だったので、AdWords 広告はやっても無駄だ…』という結論になりかねません。

でも実際は、50 万円使って 75 万円のバックがあるので、AdWords 自体に問題があったワケではありません。

もし仮に、広告費の 20% の支払いでやってくれる代理店があったとしたら、そこに頼んでも利益は出る計算です。

ところが、一旦『AdWords 広告はやっても無駄だ…』と思ってしまった広告主は、なかなか戻ってきませんので、Google にとって痛手となってしまいます。

更には、こんなケースもあるかもしれません。

AdWords だけではなく、他にもいろんな広告媒体を取り扱っている代理店があったとします。

Google の広告ではなく、他の広告を使ってもらうために、わざと AdWords で広告を使っても上手くいかないように見せかけることもできます。

またはその逆で、広告主が解析能力がないことを逆手にとって、レポートの改ざんをしている代理店もいるかもしれません。(これはあくまで、噂でしか聞いたことがありませんが…w)

このような状況下では、Google にとってサードパーティーによる管理の透明性がとても重要になってきます。

広告代理店の視点

広告代理店がどれだけのマージンを取ろうが、それを決める権限は Google にはありません。

広告代理店の腕の見せ所は、どれだけのコンバージョン数や売り上げが上がったかの結果主義であり、マージンのそれではない。(大抵の場合が…)

例えば、50% のマージンを取ろうが、それ以上の売り上げをクライアントにもたらすことが出来れば、クライアントはハッピーなのです。

ところが、この規約が導入されると、マージンの競争が表面化してきます。

つまり、50% のマージンを削減しなければいけなくなってくる可能性があり、それにより今まで雇えていた有能な AdWords スタッフが雇えなくなり、今までハッピーだった顧客までもを手放さなければいけない状況になってしまうかもしれません。

広告主の視点

これが今回の最も重視する点で、広告主の視点でみたベストが今回の決断だったような気がします。

つまり、広告主にとって、自ら使用した広告費に対するパフォーマンスを、細かい部分まで知るオプションがあることで、長い目でみるとみんなのハッピーにつながるという事なのでしょう。

まあ、日本では、対応に迫られそうな代理店は、あまりいなさそうですけどね…

一応、念のため。

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コメント (2)

 

  1. ゆきち より:

    手数料を何%取ろうが、クライアントを満足させれば
    良いと思いますが、結果を連絡しないのは問題ですね。

    「仕事はやれば良いってもんじゃない。」
    これは、日本の企業では常識ですよね?

    堂々と、「私は他社より高いです!」と胸を張って言えるよう
    結果で差をつけたいものです。

  2. グーグル アドワーズ ラボ より:

    ゆきち さん

    コメントありがとうございます。

    確かに、その通りですね…w