アフィリエイトに必要なオリジナルコンテンツとは何か?
8月 11, 2010 | グーグル スラップ, 品質スコア
かなり前のことですが、Google はアフィリエイトが嫌いなの? という記事で、AdWords でアフィリエイトをやるためには、ユーザーの役に立つようなオリジナルコンテンツが必要だという事をお伝えしました。
では、そのオリジナルコンテンツとは何なのか?
先日、アフィリエイトをしている会社の方と、食事をする機会があって、ちょっと面白い会話になったので、シェアしたいと思います。
その会社は、キャッシングの比較サイトを運営しているのですが、AdWords の広告が出せなくて困っているとのことでした。
その担当者は、
AdWords の広告が出ている他の競合アフィリエイトサイトを全てリストアップして、それらに記述されているコンテンツは、全て自社のサイトに盛り込みました。
ですので、コンテンツの量だけでは、AdWords の広告が出ている他の競合アフィリエイトサイトに負けていません。
オリジナルの比較ランキングもありますし、更には、キャッシングに関する Youtube 動画を載せているのは、弊社のサイトだけです。
といって、実際にサイトをみせてくれました。
パッとみた感じ、どこにでもありそうな比較サイトでした。既にこの時点で、ちょっと雲行きが怪しかったのですが、動画のことが気になったので、ちょっとそのことを質問してみました。
僕: 『この動画は、他にもコンテンツとして、多数あるのですか?』
担当者: 『いえ、この一つだけです。』
僕: 『内容は、どんな内容なんですか?』
担当者: 『改正貸金業法について説明してある動画を Youtube でみつけて、はめ込みました。』
僕: 『えっ、御社が作成した動画じゃないんですか?』
担当者: 『いいえ、違います。』
ということで、この時点で、動画に関してはこのサイトのコンテンツではない(少なくともオリジナルではない…)と判断できたので、動画についてはこれ以上聞くのをやめました。
あとは、僕からみたところ、オリジナルコンテンツっぽいところは無さそうだったので、あとはオリジナルコンテンツとは何かを伝えなければいけません。
そこで、こんなお話しをさせて頂きました。
僕: 『〇〇さんは、キャッシングのご経験はありますか?』
担当者: 『いいえ、無いです。』
僕: 『では、キャッシングに関する知識はどれくらいあるのでしょうか?』
担当者: 『サイトを作成するときに、調べたことを知っている程度です。』
僕: 『では、スペシャリストでも何でもないんですよね?』
担当者: 『そうですね…』
僕: 『ということは、仰っているサイトにあるコンテンツというのは、どこかのサイトに書いてあったことをパクッてきて、ちょっと編集して載せたという事ですよね。』
担当者: 『っま、まあそうですね。』
僕: 『だったら、オリジナルでも何でもなくないですか?』
担当者: 『…』
僕: 『あと、ここにあるランキングですけど、恐らくこのランキングは、御社にとって一番お金を生んでくれる順に並んでいませんか?』
担当者: 『その通りです。』
僕: 『つまり、独断と偏見で付けたランキングですよね?』
担当者: 『仰る通りです…』
ここまで来て、何が足りないのか、ちょっとは分かって頂けたようなので、更に質問を続けました。
僕: 『ぶっちゃけの質問して良いですか?』
担当者: 『はい。』
僕: 『今までの質問を考慮した上で、もし〇〇さんがキャッシングが必要になった時に、このサイトを利用しようと思いますか?』
担当者: 『しないかもしれません…』
ここまでこれば、僕のお伝えしたかったことが、分かって頂けますよね?
要するに、広告の審査が通るかどうかの目線ではなく、ユーザー目線であれという意味です。
どこにでもあるような文章が、いっぱいあっても意味がありません。
皮肉にも、このサイトの場合は、どこにでもあるような文章が大量にあったので、逆にどこに何があるのか分かりづらく、非常に使いにくいサイトだなと感じたのも事実です。
以上を踏まえたうえで、コンテンツとは何か
もちろん文章もコンテンツではありますが、上記にあるように、どこにでもあるものをコピーして編集しただけでは、オリジナリティーが欠けてしまいます。
アフィリエイトサイトにとって、ユーザーに役に立つものは何かを、幾つか紹介したいと思います。
漫画・動画
同じことを伝えるにも、テキストで伝えるのと、漫画や動画で伝えるのでは異なります。
もちろん、量や質も大事です。
毎週のように、ニッチで良質な情報が、漫画や動画でコンテンツが配信できれば、それ自体がオリジナルのサービスになります。
こうなれば、テキストとは違い、マネされることも難しくなることでしょう。
明確でフェアなランキング
サイト運営者の都合による、独断的なランキングでは、意味がありません。
何のランキングなのか分からなければ、その情報が役に立つものなのかどうかを判断することさえできません。
ユーザーレビュー
レビューも、サイト運営者が用意したレビューではなく、実際にユーザーの生の声が反映できるシステムがあって、はじめて信用できるレビューになります。(そうでなければ、運営者がどれだけ声を張り上げて本物のレビューだと伝えても、ただのサクラだと思われてしまえばそれだけのものです。)
割引クーポン
本家のサイトで買うよりも、アフィリエイトのサイトを経由した方が割引になる場合、それだけでアフィリエイトサイトの存在価値はありますし、ユーザーの得にもなります。
つまり、そのサイトは “お得な割引” それ自体がコンテンツというワケです。
もちろん、それを実現するためには、アフィリエイトする商品を販売しているサイト運営者に営業に行き、あなたのサイトだけにしかない “お得な割引” を作ってもらえる努力が必要ですが…
コミュニティー
その商品やサービスに関連するコミュニティーがあり、そこでユーザーの意見が聞け、申込むかどうかの判断が出来るようなサイトであれば、そこにユーザーにとっての付加価値は生まれます。
更には、スペシャリストによる無料相談・診断なども、同じような役割となることでしょう。
その他
更には、
- 一括見積もり
- 一括資料請求
- グルーポン
こういったサービスも、オフラインと繋がっていたりするので、アフィリエイトの枠を超えてしまっているかもしれませんが、仲介ビジネスという意味で大雑把にアフィリエイトの分野として捉えても良いと思いますし、付加価値サービスという意味で、学べる部分はあると思います。
もちろん、ここで挙げた以外にも、アイデア次第で無限に出てくると思いますが、コンテンツとはユーザーの役に立つものでなければ意味がありません。(Google のロボット基準・広告審査をする人の基準ではありません。)
理屈は分かったから、実際にみせて!
みんなが知っている 価格.com も、アフィリエイトサイトです。
ランキングだけでも、値段のランキングがあり、売れ筋のランキングがあり、ユーザーの評価のランキングがあります。
もちろん、ユーザー参加型のサイトなので、ネットユーザーによる実際の声・評価が反映されています。
『大手サイトだから出来ることだ!』と言う人もいますが、そんなことはありません。
マーケットを絞ってニッチにやれば、同じようなサービスを小さな規模でやることは可能です。
Google 自体もアフィリエイト
頭の固い人は、こんな言い方をすると、違和感を感じるかもしれませんが、Google のビジネスモデルもアフィリエイトと似ています。
Google のホームページ(検索結果)は、半分が AdWords 広告で、クリック課金モデルの “アフィリエイト” でお金儲けをしています。
でも、そこには、他には無いオリジナルコンテンツ(検索アルゴリズムとキーワードにマッチした広告配信サービスという付加価値)を提供しているので、ユーザーの役に立っています。
なぜ、ここで Google を例に挙げたかというと、それくらい頭を柔らかくしてアフィリエイトのコンテンツについて考えて欲しかったからです。
まとめ
前回お話したことではありますが、大事なところなのでもう一度…
『ユーザーにとって、本家のサイトに飛んでいく前に、あなたのサイトに立ち寄ることに価値があるのか? 』
他のサイトにはない、オリジナリティーのあるサービス・付加価値を考えてみましょう。
コメント (8)
アフィリエイトをしているモノにとってとても良い記事ですね。
改めて考えさせられました。
どうもありがとうございます。
タナカ さん
ありがとうございます。
アフィリエイトであれ、SEOであれ、アドワーズであれ、すべてに言えることは
ユーザの為になるかどうか
ですね。
視点をここからスタートさせれば、あらゆる本質が見えてきそうです。
あらためて基本を再認識できました。
素晴らしいシェアをありがとうございました。
makku さん
いつもコメント頂き、誠にありがとうございます。
> アフィリエイトであれ、SEOであれ、
> アドワーズであれ、すべてに言えることは
> ユーザの為になるかどうかですね。
> 視点をここからスタートさせれば、
> あらゆる本質が見えてきそうです。
確かに、仰るとおりです…
“オリジナリティーのあるサービス・付加価値”は、
どんなビジネスにとっても、
そして、ひとりの人間としても必要なことなのではないかと考えさせられました。
鷲見さん、makku さん、勉強になります。
ありがとうございました。
sakabon さん
コメントありがとうございました。
単純なつまらないアフィリエイトサイトが多い中、
利用者も価値が高いサイトかをすぐに判断している。
グーグル が広告主の(売上の)ために広告を審査していると考えたほうが良いようですね。
いつも鷲見さんのお話ありがとうございます。
ハートス さん
コメントありがとうございました。