費用対効果と損切りのポイント

7月 30, 2009 | レビューと解析

こないだのアンケートで、『損切りのポイントを教えてください』 という要望がありました。

僕もこれに関しては、何度かシステム化することを試みたのですが、例外が多すぎて、結局 “It depends” 時と場合による、というところに辿り着いてしまうのです。

でも、全てを “It depends” で片づけてしまってもいけないので、費用対効果と損切りに関して理解しておくと良い話をちょっと紹介したいと思います。

まず、パフォーマンスの悪いキーワード(グループ)は、どのへんで切り捨てるのかという話です。

僕自身も、コンバージョン率が 10% 前後のサイトに、100 クリック以上も集めたのに、1 つもコンバージョン数が取れなかったという場合は、そのキーワード(グループ)は失敗という結論を出すこともあります。(コンバージョン率が低ければ、もう少しクリックを増やして様子をみるかもしれません。)

その基準は、アカウントの規模によると思います。

例えば、コンバージョン率が 2% のランディングページに、100 クリック発生したとしましょう。

理論的には、100 クリックあれば コンバージョン数は 2 がカウントされるはずですが、現実の世界は 2 という数字が少なすぎてばらつきが出るため、0 になる可能性もあります。

本来ならもう少し様子をみたいところです…

毎月アドワーズに 1000 万円使っている人であれば、もうあと 200 ~ 300 クリック待って、十分なデータが取れてから判断しようという余裕もあると思います。

それが毎月の予算が 100 万円だったらどうでしょう?

更にはもっと少ない 10 万円だったら、もうあと 200 ~ 300 クリック程度が、アカウントに大きな影響を与えてしまいます。データがまだ少くても、損切りを早くしなければいけない状況になるかもしれません。

それでは次に、少しでもコンバージョン数が取れているキーワード(グループ)はどうでしょうか?

費用 / コンバージョン の価格が、利益より高いという理由だけで、バッサリ切り捨てて良いのでしょうか?

僕の場合はそうではなく、バッサリ切り捨てる前に、

損切るのは簡単だけど、コンバージョンが取れるなら、そこには何か理由はあるはず!

と考えるようにしています。(これもアカウントの規模と、テストマーケティングでどれだけ余裕があるかによりますが…)

キーワードやグループを削除するのは簡単ですが、コスト削減モードを続けていくと究極の話 “じゃあ初めから広告出さなきゃいいじゃん” というところに辿り着いてしまうからです。(それは極端な話にしても、規模は小さくなっていきます。)

コンバージョンが発生したキーワードに対しては、その考えを基に、広告文・ランディングページを改善して、コストパフォーマンスが希望ラインを満たす努力はします。

それでも、ベストとワーストのキーワード(グループ)をみると、必ずしも全てが希望ラインを満たしているとは限りません。

例えば、費用 / コンバージョン の価格が、利益率などを考えて、1200 円と設定したとしましょう。

コストパフォーマンスの希望ライン(ベスト&ワースト)

希望ラインはあったとしても、ベストとワーストをみると、これだけの差があったりします。

ベストを希望ラインに引き上げようと頑張っても限界があります(その努力さえするべきではない)し、その逆も同じです。

全体をみて、希望ラインを切っていて、更にテストマーケティング出来る余裕がある程度なら OK としなければいけません。

それから、ベストとワーストのボリュームによっても、改善したり切り捨てたりする基準が違ってくるでしょう。

パレートの法則というのをご存知でしょうか?

8:2 の法則と言われていますが、

  • 2 割のキーワード(グループ)が、8 割のコンバージョン数を作り出す
  • 2 割のキーワード(グループ)が、8 割のコンバージョン率のウェイトを占める
  • 2 割のキーワード(グループ)が、8 割の費用対効果のウェイトを占める

AdWords にも、こういったルールが当てはまります。

そしてそれを理解すると、いろんなものに手を広げすぎるよりも、8 割のパフォーマンスを生み出す 2 割にフォーカスして、それらを深堀した方が、より大きな改善を生み出すことができるのではないでしょうか…

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コメント (2)

 

  1. torazo より:

    はじめまして。
    torazoといます。
    いつも勉強させていただいています。

    数ヶ月前からPPCをはじめたんですが、
    SEOで上位表示させていた時より
    PPCは売れるのですが、

    稼ぐ。というと難しいという感じでした。

    今回の『グーグル アドワーズ ラボ
    費用対効果と損切りのポイント』

    というのは、まさしく知りたかった情報です。

    本当に知りたかった情報です。
    さらに、詳しく教えていただければと思います。

    RSS登録していますので、
    毎回、楽しみにしています。

    ありがとうございました。

  2. グーグル アドワーズ ラボ より:

    torazoさん

    コメントありがとうございます。

    少しでも期待にこたえられるようにしますね♪

    何かと難しいことがあるかもしれませんが、頑張ってください。